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東福寺観光ガイド - 【完全版】2021年京都観光の穴場937選!

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とうふくじ

東福寺

黄金色に染まる「通天紅葉」と呼ばれる京都屈指の紅葉名所。昭和の天才作庭家、重森三玲の作庭による敷石と苔の調和が美しい和モダンな庭園。現存する禅寺の中で最古で最大である禅堂と三門を有する、その立派な姿から東福寺は「伽藍づら」と呼ばれています。東大寺の規模の偉容さと、興福寺のすぐれた教学から一字ずつをとって命名された東福寺は、古刹の多い京都の中でも特に魅力的な寺院のひとつです。

東福寺は臨済宗の寺院で円爾弁円を開山として1255年に創建されました。とても残念なことに現在は見ることはできませんが、明治14年の火災以前には東大寺の大仏と同じ大きさ(高さ15メートル)の大仏が仏殿にはあったといいます。左右にはその半分の大きさの観音・弥勒像があったといいますので、それは壮観であったと想像します。

京都五山の一つに数えられる東福寺には石田三成、宇喜多秀家、安国寺恵瓊、が関ヶ原の作戦を立てたといわれる退耕庵など見所が多く、ゆっくりと時間をとって訪れたい寺院です。臥雲橋(がうんきょう)から見る、通天橋の黄金色の紅葉は、間違いなく必ず見たい京都の絶景のひとつです。

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東福寺

宗派 臨済宗東福寺派
創建 1255年(建長7年)
価格 通天橋・開山堂
400円(小中学生300円)
東福寺本坊庭園
400円(小中学生300円)
住所 京都市東山区本町15-778
TEL 075-561-0087
営業時間 4月~10月末まで
9:00~16:00
11月~12月初旬まで
8:30~16:00
12月初旬~3月末
9:00~15:30
URL ホームページ

交通アクセス

京都市バス 東福寺
徒歩9分程度
京都市バス 東福寺道
徒歩10分程度
京阪電鉄 鳥羽街道
徒歩9分程度

見所

通天橋
通天橋つうてんきょう
方丈と開山堂を結ぶ1380年(天授6年)に春屋妙葩が架けられたとされる橋廊。…
退耕庵
退耕庵たいこうあん
退耕庵は東福寺塔頭で1346年(貞和2年)に性海霊見(しょうかいれいけん)によ…
方丈北庭
方丈北庭
昭和期の天才作庭家である重森三玲の作庭。敷石の数は煩悩を払う除夜の鐘…
明暗寺
明暗寺めいあんじ
臨済宗東福寺派の東福寺の塔頭。開祖は虚竹了円禅師。編み笠をかぶり尺八…
同聚院
同聚院どうじゅいん
臨済宗東福寺の塔頭。文渓元作(ぶんけいげんさく)がその師琴江令薫を推し…
常楽庵
常楽庵じょうらくあん
常楽庵は東福寺開山円爾弁円を祀る開山塔院で、方丈より回廊および通天橋…
三門
三門さんもん
現存する禅宗寺院の三門としてはわが国最古で最大。南北朝時代の1334年(建…
法堂
法堂はっとう
東福寺の法堂は明治の火災で焼失し現在の法堂兼仏殿は1934年(昭和9年)に再…

東福寺の創建

現在の東福寺の地は元々は延長年間(923~31年)に藤原忠平によって創建された法性寺(ほっしょうじ)という藤原氏の氏寺であった。法性寺は藤原家の崇拝によって300年余り栄え、摂関関白九条道家の時代に東福寺となった。

創建は1255年(建長7年)、実に19年の長い時間をかけて完成しました。旧仏教側との摩擦を避けるために初めは天台・真言・禅の三宗兼学の道場として始まる。東福寺の名は、東大寺の規模の偉容さと、興福寺のすぐれた教学から一字ずつをとって命名されたといいます。

開山を円爾弁円(えんにべんえん)、後の聖一国師とし、創建当時の仏殿には高さ15mの本尊釈迦如来像、左右にはその半分の大きさの観音・弥勒像が侍っていたとされ、新大仏寺と呼ばれていました。現在の東大寺の大仏とほぼ同じ大きさの巨大な仏像でした。

開山聖一国師

開山の円爾弁円は花園天皇より、日本禅僧最初の賜号「聖一国師」を贈られた名僧でした。1202年(建仁2年)に現在の静岡県で生まれ、18歳で三井園城寺の学徒として天台の教学を究め、栄西の高弟行勇・栄朝について禅戒を受けました。その後1235年(嘉禎元年) 宋に渡り、在宋6年、杭州径山の無準の法を嗣ぎ帰朝しました。

建仁寺の再建。岡崎尊勝寺、大阪四天王寺、奈良東大寺などの大寺院を監閲し復興にも尽力し、更には延暦寺の天台座主慈源や東大寺の円照らを教導したことでも有名です。宋より帰朝した際には一千余りの典籍を持ち帰り、製麺の技術や静岡茶の原種を伝えたことでも知られています。

東福寺の栄枯盛衰

その後の東福寺は鎌倉時代末期の1319年(元応元年)、1334年(建武元年)、1336年(建武3年)に相次ぐ火災により大部分を焼失。応仁の乱では山名軍が乱入し本坊を除いて塔頭の大半を兵火により失いました。さらに1534年(天文3年)には京極高次の大兵が陣営し、宝器を盗み、仏像を焼くなどの被害にあった。ちなみに国宝に指定されている三門は1394~1428年(応永年間)の建築で、奇跡的に焼失から間逃れている。

東福寺の再建は1585年(天正13年)、豊臣秀吉から寺領千八百万石余りを寄進され、惟杏永哲(いあんえいてつ)や安国寺恵瓊(あんこくじえけい)の尽力によって伽藍の補修が行われた。通天橋も1597年(慶長2年)に秀吉によって架け替えられました。その後も徳川家康や家光によって保護修理がされています。

明治に入り塔頭七十余りは合廃寺の制令により半数以上を失い、旧寺領十二万余坪は六万五千坪に半減しました。また1881年(明治14年)には方丈より出火。仏殿、法堂、庫裏、西茶堂を焼失しました。1934年(昭和9年)に仏殿兼法堂は再建され、今でも焼け残った仏像の手が再建された本堂の片隅に安置されています。

1236九条道家、東福寺を建立
1243円爾弁円(えんにべんえん)、東福寺の開山となる。台密禅三教を併置
1280円爾、79歳にて示寂
1280通天橋完成。額字の「通天」は春屋妙葩(しゅんのくみょう)作
1311円爾、花園天皇より日本禅僧最初の賜号「聖一国師」を贈られる
1334東福寺炎上
1336東福寺仮仏殿焼失
1372幕府、禅宗法則条々を定める
1379聖一国師百年忌を行う
1385吉山明兆(きつさんみんちょう)、東福寺にて「五百羅漢図」を描く
1408明兆、東福寺にて「大涅槃図」を描く
1427明兆、東福寺にて「四十祖像」を描く
1428東福寺法堂が完成
1431明兆、80歳にて示寂
1454幕府、東福寺領を169貫890文と定める
1470東福寺兵火により塔頭の大半を焼失
1479東福寺復興、聖一国師の二百年忌を行う
1530細川晴元の軍、東福寺に陣し戦乱に陥る
1585秀吉、東福寺へ一八五四石の寺領を安堵する
1656東福寺三門、仏殿、法堂、禅堂など大修繕をする
1666開山堂修繕、「大涅槃図」を修補
1780聖一国師、後桃園天皇より大宝鏡広照国師の諡号を受ける
1790東福寺選仏道場の大修理を行う
1794経堂が完成
1812経堂に宋版(一切経)を入蔵、供養する
1823開山堂を龍吟庵より遷座する
1829通天橋を改架する
1876京都五山万寿寺を東福寺の所轄とする
1881方丈より失火、東庫裏、西茶堂、法堂、仏殿を焼く
1897三門が特別保護建造物に指定される

東福寺へのアクセス

東福寺は市内の東方にあり、京都駅からはバスで20分ほどの距離にあります。東福寺をさらに東へ行くと、皇室ゆかりの泉涌寺があります。東福寺の境内は塔頭も広く、バスを下車してから意外と歩きますので、歩きやすい服装でお訪ねください。東福寺のアクセスは京阪電車かJRがおすすめです。京阪電車は同じ路線で伏見稲荷や三十三間堂、祇園など人気の観光スポットへアクセスができます。

JR(京都駅)をご利用の場合

JRをご利用の場合はJR京都駅から奈良線に乗り「東福寺駅」で下車します。東福寺までは徒歩で10分ほどです。京都駅から京都市バスを利用する場合は208系統「京都駅行き」に乗り「東福寺」で下車します。バス停からは徒歩で10分ほどです。バスでの観光は1日乗車券500円が便利です。1日乗車券は京都市バスも京都バスどちらも利用できます。

阪急電鉄をご利用の場合

阪急電鉄をご利用の場合は「四条河原町」で下車ください。四条河原町からは「祇園四条」から京阪電車に乗り換え「東福寺駅」下車。東福寺までは徒歩で10分ほどです。

京阪電鉄をご利用の場合

京阪電鉄をご利用の場合は「東福寺駅」で下車ください。東福寺までは徒歩で10分ほどです。

自家用車をご利用の場合

東福寺には無料の駐車場が30台ほどありますが、紅葉の時期は閉鎖されます。また混雑時には満車の場合もありますので、できるだけ電車やバスのご利用をおすすめします。

おすすめ書籍

新版 古寺巡礼京都 東福寺
淡交社出版の古寺巡礼京都シリーズ。東福寺の魅力や歴史を一冊にまとめた本です。東福寺を訪れる前に必ず読みたい一冊です。

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